― 迷いながら決める、という仕事 ―
今回の鎌倉の現場が、無事に完了しました。
洗面台の工事を中心に、
天井照明、寝室照明まで含めて、
「どれも簡単ではない判断」が続いた現場でした。
正直に言うと、
工事当日が近づくにつれて、
ずっと落ち着かない気持ちでいました。
洗面台について
今回の洗面台は、
•既存の天板を活かす
•オーバーカウンターの洗面ボウル
•クラシックデザインの単水栓
•押し込み式ポップアップ排水
という構成。
サイズ、口径、排水の仕組み、オーバーフロー。
頭では理解していても、
「本当に全部きれいに納まるだろうか」
「水栓の位置はズレないだろうか」
と、何度もシミュレーションを繰り返しました。
現場に立つと、
この仕事が好きなのに、
ふと「逃げ出したくなるような瞬間」があります。
それは、
お客様の暮らしに関わる場所だから。
自分の判断に責任を持ちたいから。
結果として、
洗面ボウルは自然に天板に馴染み、
水栓の吐水位置も美しく、
ポップアップ排水も問題なく機能しました。
鏡越しに洗面台を見たとき、
ようやく肩の力が抜けました。
天井照明について
今回の現場では、
天井照明の選定も悩みどころでした。
明るさだけでなく、
•光の広がり方
•天井との納まり
•ゲストをお迎えする空間であること
を重視しました。
強すぎない光、
でも暗すぎないこと。
「照らす照明」ではなく、
空間を整えるための光を意識しています。
完成後、
空間全体がやわらかく包まれるような印象になり、
この選択は間違っていなかったと感じました。
寝室照明について
特に悩んだのが、寝室照明です。
既存の照明跡をどう隠すか。
デザインとして成立させられるか。
左右に2灯並べたときのバランス。
「不自然に見えないだろうか」
正直、何度も立ち止まりました。
でも最終的には、
ベッド周りの居心地を最優先に考え、
やさしい光が壁に広がる照明を選びました。
結果として、
寝室は落ち着きのある、
ホテルのような空間に仕上がったと思います。
迷いながら決めるということ
私は、
流れに任せて決めるリフォームよりも、
迷いながら、考えながら決めることを大切にしています。
迷うのは、
一つひとつに理由をもって進めていきたい。
お客様の暮らしに、長く寄り添う空間にしたいから。
今回の鎌倉の現場は、
その気持ちがすべて詰まった現場でした。
また一つ、この仕事を続けてきてよかったと
思える現場となりました。
そして、
自分の仕事として誇れる現場が増えたことを、
とても嬉しく思っています。
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